私宛に来た架空請求の連絡先に電話してみました

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弁護士の石井です。

私のメアド宛てに、下記の架空請求が来ました。実際に、この架空請求業者に電話してみたので、その内容をご紹介します。

(以下メールのコピー)

(株)サンリア

【TEL】0120-472-290 【顧客担当】藤本

弊社は調査業務、情報管理及び和解手続き代行等を主とした調査会社でございます。

本日ご連絡致しましたのは、現在貴方がご契約されている総合コンテンツ提供サービス会社からの再三の通告を放置し、利用料金を長期延滞している事に対して、同社が起訴準備期間に入った事を報告致します。

この通知を最終通告と致しますので、本日、当社営業時間までにご連絡が無い場合、管轄裁判所から裁判日程を決定する呼出状が発行され、記載期日に指定裁判所へ出廷となります。 尚、裁判を欠席されますと、相手分の言い分通りの判決が出され、執行官立ち会いのもと、給料、財産や不動産、有価証券等の差押えを含めた強制執行となりますので、ご注意下さい。

弊社は、今回運営会社様より和解等の最終判断を委託されましたので、双方にとってより良い解決に向かうためのご相談に乗らせて頂きます。本日弊社営業時間までに早急にお電話にてご相談ください。

最近個人情報を悪用する業者の手口も見受けられますので、万が一身に覚えのない場合でも、早急にご連絡ください。

※時間帯によって繋がりにくい場合がございますので、その際は恐れ入りますが、再度お掛け直し頂きますようお願い致します。

パソコンからのメールはドメイン設定により送受信ができない可能性がございますので、本日はこちらのアドレスから送信させて頂きます。

(株)サンリア

【TEL】0120-472-290 【顧客担当】藤本 【営業時間】8:00~17:00

 

メールの内容に、私の名前等の個人情報が何もなく、不特定多数の人に同じメールを送りつけていることは、この段階で明白です。

そもそも、私自身、このような請求をされる覚えが全くなく、架空請求であると確信しました。

連絡先としてフリーダイヤルの番号があったので、日曜日の午後、面白半分で、事務所の電話から番号通知で電話してみました。

架空請求業者とのやりとり

業者
「…はい(業者名を名乗らない)」(若そうな男性の声で、おどおどした感じ)
石井
「そちら、サンリアさんでしょうか?」(そこそこ強気)
業者
「はい…。」
石井
「そちらからメールをいただきまして、すぐに電話するようにと書いてあったので電話しました。」
業者
「データを確認しますので、お名前と生年月日をお願いします。」
石井
「石井せいいちといいます。昭和37年6月17日生まれです。」(名前も生年月日も少し違えて言っています)
業者
「お住まいの場所を確認させていただきますが、住所は結構ですが、郵便番号をお願いします。」
石井
「233-0002です。」(事務所の場所の本当の郵便番号です)
業者
「データを確認して、折り返しお電話いたしますので、しばらくお待ち下さい。」

ここで、架空請求業者との電話はいったん切れました。

その後、この架空請求業者からなかなか電話がかかってこなかったので、番号通知でかけたうちの事務所の電話番号を相手がインターネットで調べて、上大岡法律事務所の番号であると知って、連絡をしないこととしたのかと思いました。

ところが、約1時間後、電話がかかってきました(ナンバーディスプレーで相手の業者のフリーダイヤルが表示されたので、私はすぐに応答しました)。

業者
「石井様でしょうか?」(さっき話した相手と同じ声)
石井
「はい」
業者
「先ほどの石井様からいただいた情報を確認しました。石井様は、昨年8月4日に、有料の出会い系あるいはアダルトサイト等をご利用されたにもかかわらず、その利用料と延滞金を滞納されています。このたび、当方はその業者から依頼を受けまして、利用料等の請求をさせていただいております。石井様、この点、お間違いありませんでしょうか?」
石井
「全く身に覚えがありません。」
業者
「当方は、石井様が業者にアクセスしたIPアドレスから石井様の情報を把握しております。」
石井
「そちらは、何という業者から依頼を受けているのですか?」
業者
「その業者は現在、石井様に対して裁判を起こす準備をしておりまして、裁判所からの開示命令がないと、その業者の名前をお伝えすることができないのです。」

そんな開示命令などという制度は日本では存在しません。私は、この業者にもう少し騙させたふりをしてみようと思いました。

石井
「業者の名前も教えてもらえないのでは、滞納料金を支払うべきかどうか、判断できません。」
業者
「業者の名前は、裁判所の開示命令がないとお伝えできませんが、石井様に和解の意思がおありであれば、当方からその業者に話をして、和解という形で終わらせることができます。」
石井
「いくら払えばいいのですか?」
業者
「基本利用料6400円、延滞料2600円の合計、9000円となります。この金額でよろしければ、当方の顧問弁護士から石井様のご自宅に和解書をお送りいたします。」

数十万円の請求かと思っていたら、二桁ぐらい違っていて、拍子抜けしました。

そろそろ依頼者が来る時間だったので、電話を終わらせることとしました。

石井
「あの~、私、本物の弁護士なんです。こちらの電話の番号は、うちの法律事務所の番号です。だいたい、さっき言っていた裁判所の開示命令なんて、弁護士相手に出鱈目を言うのもいいかげにしてくれませんかね。この電話は全部録音しているので、しかるべき対応をします。それでは。」(私から一方的に電話を切りました)。

架空請求業者とのその後…

この架空請求業者からは電話はかかってきませんでした。

後から思い返せば、もう少し騙させたふりをして、業者の「顧問弁護士」から「和解書」なるものを事務所に送ってもらって、警察に詐欺未遂で被害届を出しても良かったのかなと、少し後悔しています。

私は弁護士なので、相手が詐欺をしていることは電話の段階で完全に分かります。しかし、一般の方が「IPアドレスが分かっている」「訴訟提起の準備に入っている」「裁判所の開示命令」などと言われたら、有料サイトを使ったことがあって「請求されることがあるかも」という身に覚えがある人であれば、「裁判を起こされるくらいなら、9000円くらいであれば払って終わらせてしまった方がいいかも」と考えてしまうこともあるのだろうなと思いました。

※架空請求については、こちらもご覧下さい。

 

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