公正証書遺言の作成方法

 公正証書遺言の作成には、遺言の内容だけでなく、公証人と弁護士の役割分担、必要書類の収集、相続人の調査などさまざまなことを準備する必要があります。公正証書遺言の作成方法についてまとめました。

公正証書遺言の作成の流れ

  •  1 遺言書の内容を決める
  •  2 公証役場に連絡し、遺言作成の依頼をする
  •  3 事前に、公証役場へ遺言書の内容と必要書類(戸籍、不動産登記簿)のコピーを送る
  •  4 作成日当日:本人が公証役場に出向くか、本人が出歩けない場合は、公証人に病院や自宅に来てもらう

公正証書作成の流れの詳細は、こちらのページをご覧ください。

公証人と弁護士との役割分担

 公証人は、遺産の分け方についてアドバイスしてくれるわけではありません。遺産の分け方に問題があっても、それを教えてくれるわけでもありません。

 したがって、遺言書の内容についてお悩みの方は、弁護士にご相談下さい。

 「全財産を●●に相続させる。」といった単純な内容であっても、遺留分の問題が生じますので、あらかじめ相談しておいた方が無難です。

 ご相談の上、公証人とのやりとりは相談者が自分でなさる場合もありますが、ご依頼いただいた場合は、相続人・相続財産の調査、文案の作成、必要書類(登記簿など)の取り寄せ、公証人への連絡など、必要な手続はすべて弁護士が行います。

公正証書遺言の必要書類

 公正証書遺言を作成する場合、一般的に以下のような書類が必要となります。

  •  1 遺言者本人の印鑑登録証明書(3カ月以内に発行されたもの)
  •  2 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本(3カ月以内に発行されたもの)
  •  3 登記簿謄本・固定資産評価証明書(相続させる財産に不動産がある場合)

 その他、各資産の裏付けなど、必要書類は事案により異なりますので、弁護士にご相談ください。

公正証書遺言作成のポイント

(1) 相続人の調査をする。

 想定外の相続人が出てくる場合が意外と多いので、遺言者が生まれてからその作成時点までのすべての戸籍謄本を取得し、法定相続人の範囲を確定した方がいいでしょう。

 また、万一、遺言者が亡くなる前に法定相続人が亡くなっていた場合は、代襲相続が生じますので、法定相続人の戸籍謄本も取得し、代襲者も確認しておいた方がいいでしょう。

 相続関係図を作成すると、だれにどうやって分けると、将来どのような問題が生じるか、といったことがシミュレーションできて便利です。

(2) 相続財産調査を行う

 遺言書作成の時点で全財産を把握しておかなければならない訳ではありませんが、将来のトラブルを回避するためには、ある程度、相続財産の調査も行っておいた方が無難です。

 不動産については、公正証書遺言の場合、正確な地番を書く必要があるので、登記簿謄本を取得しましょう。預貯金、株式などの金融資産はもちろんのこと、負債もある場合はリストアップしておいた方がいいでしょう。 

(3) 法律を考慮しながら、遺産分割の方法を指定する。

 配偶者や子どもなどは、遺留分といって、最低限相続できる割合が民法に規定されています。遺言書で遺産分割の方法を指定しても、遺留分を侵害している場合は、後々、遺留分を巡って紛争が生じます。

 なるべく遺留分を侵害しない形で分割方法を定めた方がいいですが、遺言書作成日から、亡くなるまでの間に、遺産の額も変動しますので、遺留分を侵害しない金額をきっちり計算することは難しいです。 

(4) 遺言執行者を指定する

 遺言書を作成しても、その内容どおりに執行されなければ意味がありません。遺言執行者を定めておいた方がいいでしょう。

公正証書遺言の効力はいつから?

 公正証書遺言は、遺言者が死亡したときから効力が発生します。

 公正証書遺言に限らず、自筆遺言書など、どの遺言書でも効力が発生する時期は同じです。

弁護士による公正証書遺言の作成ならお任せください

 弁護士に公正証書遺言の作成を依頼した場合は、その弁護士が執行者となることも可能です。遺言の内容を確実に実現したい場合は、執行者も弁護士に依頼した方がいいでしょう。

   当事務所は、上大岡の公証役場に近く、横須賀や川崎などの公証役場にも電車1本で行くことができる立地にあり、公正証書遺言作成の経験も豊富です。

ご自身のことや残される家族のためにも、遺言の作成に関しては、身近で相談しやすく経験豊富な上大岡法律事務所までご相談ください。


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