従業員解雇の弁護士相談

IMG_49110002「従業員を解雇したら、不当解雇だと訴えられてしまった」
「全く仕事をしない社員を辞めさせたいが、後々トラブルにならないようにしたい」
「労働基準署から突然連絡が入り、立入り調査をすると言われた」

 解雇とは、使用者からの申し出による一方的な労働契約の終了です。

 従業員の解雇は何かとトラブルに発展しやすいものです。解雇によるトラブルは、弁護士に早めのご相談をおすすめします。

解雇の種類

 従業員の解雇は以下の種類(方法)に分けられますが、その選択を間違えると、後で、「解雇が無効だ!」と従業員側から訴えられることがありますので、解雇の理由に応じた適切な解雇方法を選択することが必要です。

1.普通解雇

 問題のある従業員を解雇する場合で、懲戒解雇よりも解雇事由が軽い場合です。

  • 例1:家庭の事情で長期間休職していて、復職の見込みがない
  • 例2:態度が悪い、能力が低い

などの事情があり、再三の指導や注意によっても改善しない場合に該当します。

2.整理解雇

 従業員には問題がない場合で、会社の業績悪化により、人員削減をするための解雇です。
 次の4要件を満たす必要があります。

  • (1)整理解雇の必要性があること
  • (2)解雇を回避するための努力をしたこと
  • (3)解雇の対象者の選定に合理性があること
  • (4)従業員と十分に協議するなど、手続が妥当であること
希望退職
   整理解雇と似ていますが、あくまでも、退職するかしないかを従業員の方に決めてもらうのが希望退職です。従業員に「希望退職に応募したい」と思ってもらえるよう、退職金の上乗せをすることが一般的です。

3.懲戒解雇

  従業員が重大な違法行為や規則違反を行った場合の解雇です。
  退職金を不支給とすることが認められる場合もあります。

解雇の実際

   解雇は、使用者の申し出による一方的な労働契約の終了であるといっても、労働者のみならず、その家族の生活にも大きな影響を与えるため、使用者の解雇権は労働基準法等の法律で厳格に規制されており、実際のところ、労働者を解雇するのは難しくなっています。

 安易に解雇をしてしまうと、解雇した従業員から不当解雇であると訴えられ、多額の損害賠償金を請求されたり、労働基準監督署に申告されて立入り調査や是正勧告を受けたりするなど、企業活動に大きな影響が生じることになりかねません。

 使用者が労働者を解雇するには、就業規則と労働契約書(労働条件通知書)に、どのような場合に解雇されることがあるのか(解雇事由)をあらかじめ示してあること、また、その事由に合致することが必要です。

 また、就業規則等に明示されていたとしても、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と法律で定められています(労働契約法16条)。

解雇が認められる客観的で合理的な理由とは、下記のようなものです。

  • ・ 傷病等健康上の理由から、長期にわたって労務を提供できないこと
  • ・ 勤務態度が著しく悪く、会社の指示に従って労務を提供できないこと
  • ・ 労働者の能力が著しく低く、労働契約の目的を達成できないこと
  • ・ 経歴を詐称して労働契約を結んでいた場合

 これらの理由があったとしても、解雇をするまでに使用者が行った改善・教育的措置の内容に裁判所は着目して、特別なことを何もせずにいきなり解雇した場合には、厳しい判断がされる場合が殆どです。裁判所としては、解雇が労働者(とその家族)の生活に大きな影響を与えることに配慮して、使用者として慎重な手続をとるように求めているといえます。 

 したがって、使用者の立場からは、解雇に正当な理由があると考えられる事案であっても、問題のある社員に対して、配置換えや研修等の対応をとった上で、それらの対応を講じても問題が解決しなかったから、やむなく解雇した、というように然るべき段階を経る必要があります。 

 弁護士に相談することで、解雇事由に客観的に合理性が認められるか、また、手続に正当性はあるかといった点について、アドバイスを受けることができます。
 また、解雇をした従業員から後々訴えられないためにも、専門家の助言を得て、就業規則等を整備しておくことが必要です。

 万が一訴えられてしまった場合には、損害を拡大させないために、できるだけ早い段階で専門家の助言を得て、対応を考える必要があります。

労務に関する法律相談なら、当弁護士事務所にお任せください。


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