遺産の分け方の指定

平成24年5月17日号掲載

Q
 高齢の母が、遺産は長女である私に多く相続させたいと希望しています。既に父は亡くなっており、兄弟は弟だけです。母親の望みをかなえてあげたいです。
 
A
 この場合、相続人は相談者と弟の2人です。母親の遺言がない限り、母親の遺産は、相談者と弟が2分の1ずつ取得することになります。
遺言によらずに相談者が2分の1を超えて遺産を取得するのは、母親の死後に弟が承諾するか、また、相談者が母親の財産を増大させたなどの事情がない限りは難しいです。
 母親に相続割合を指定する遺言書を作成してもらいましょう。書面によらない遺言の方法もありますが、急に死期が迫り書面を作成する時間がないことや証人が3人いることなどの要件が必要で、ほとんど使われません。
 遺言書を作成する場合、自筆で作成してもいいのですが、法律で決められた方式を守っていないと無効になってしまいますし、改ざんされる危険もあるので、公正証書遺言の方が確実です。
 なお、遺言をするには、遺言の内容を理解する能力が必要であり、認知症の進んだ高齢者に遺言書を書かせても無効となってしまうおそれがあります。
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