特別受益と寄与分

IMG_49070003

 

 相続人間の公平を図るための制度として、特別受益と寄与分の制度があります。簡単な言葉で説明しますと、特別受益は、もらいすぎの人の相続分を少なくすること、寄与分は、たくさん遺産をもらうべき人の相続分を多くしてあげることです。 

特別受益とは

 相続人の中に、被相続人から生前に特別の利益を受けていた者がいる場合、その者が、法定相続分どおりの遺産を受け取ると、もらいすぎで不公平になってしまいます。この不公平を是正するのが特別受益の制度です。 

特別受益の例

例えば、父親が亡くなり、相続人が長男と次男(兄と弟)の2人だけだった場合

  • ・兄が結婚する際に、父親から結婚支度金として多額のお金を贈与してもらった。
  • ・兄が養子縁組する際に、父が多額の持参金や支度金を用意した。
  • ・兄が不動産を買う時に、父親から資金を援助してもらった。
  • ・兄が居住するための不動産を父から贈与された。
  • ・兄が父から借地権を贈与され、その土地上に建物を建てて住んでいる。
  • ・兄が事業を始める際に、父親から開業資金を援助してもらった。
  • ・兄が私大医学部に進学し、多額の入学金を父に出してもらった。
  • ・兄が海外留学する際に、学費や生活費を全部父親に出してもらった。
  • ・兄がギャンブルを繰り返し、多額の借金を父親に肩代わりしてもらった。
  • ・兄の借金の保証人になっていた父が、その借金を全額返済したが、父は兄に返還請求しなかった(父は兄に対する求償債権を免除した)。
  • ・兄が契約した生命保険の高額な保険料を父が全額支払った。
  • ・父は兄の妻に不動産を贈与したが、真実は兄に対する贈与で、名義を妻としただけだった。

 このような場合に、兄が受けた利益の分だけ兄の相続分を少なくするのが特別受益の制度です。 

 入学祝いや結婚のご祝儀など、儀礼の範囲と言える程度の金額であれば特別受益にはあたりません。どの程度の金額なら特別受益にあたるかについては、その家の資産状況によりけりです。

 また、親子間には扶養義務がありますので、単に生活費を援助してもらっていただけでは特別受益にはあたりませんが、過大な援助を受けていたなら、特別受益と認められる可能性はあります。

特別受益の計算方法についてはこちら

寄与分とは

 ある相続人のおかげで、被相続人の財産が増えたとか、減るのを回避できたという事情がある場合に、やはりその者が法定相続分しかもらえないのは不公平です。この者に、法定相続分以上の財産を取得させるのが寄与分の制度です。 

・親の家業を手伝い、親の財産を増やした
・寝たきりの親の介護をし、介護費用の支出を抑えた

 やはり、親子間には扶養義務がありますので、年老いた親と一緒に住んで食事を作ってあげていたとか、衣類を洗濯してあげていたという程度であれば、寄与分としては認められません。寝たきりで、老人ホームに入所させる等の必要性があったのに自宅で介護していたのであれば、寄与分として認めてもらえる可能性があります。

寄与分の計算方法についてはこちら

 特別受益にしても、寄与分にしても、過去の裁判例を把握し、裁判所に認めてもらえるような証拠を提出する必要があります。専門知識のある弁護士にご相談なさった方がいいでしょう。


ご相談はお気軽に 045-840-2444
顧問契約のご案内 中小企業のニーズに応える様々な提案をいたします
当事務所の最新トピックス・解決事例は、下記をご覧下さい。
主な取り扱い分野