遺産分割の調停と審判

・相続人のうち一部の者が、話し合いに応じてくれない
・相続人同士で話し合いをしているが、まとまらない

  このような場合は、家庭裁判所に対して遺産分割調停を申し立てるという方法があります。調停を申し立てるべきか、それとも交渉を続けるべきか、悩む場合には、専門家である弁護士に相談すると良いでしょう。 

 また、こちらが調停を申し立てなくても、他の相続人から調停を申し立てられることもあります。調停がどのような流れで進んでいくか、調停においてどのようなことを主張すべきかについて悩んでいる方も、弁護士にご相談ください。

 ここでは、遺産分割調停と遺産分割審判について説明いたします。 

(1) 遺産分割調停とは

①どこの裁判所に申し立てたらいいか?

 遺産分割調停を管轄する裁判所は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所となります。

 例えば、自分が横浜に住んでいて、相手方が札幌に住んでいる場合、札幌の家庭裁判所に対して調停を申し立てる必要があります。

 もっとも、相続人が3人以上いる場合には、自分以外の者の住所地で構いません。例えば、相続人が長男(札幌在住)、次男(横浜在住)、三男(東京在住)といて、次男・三男は仲が良く、長男と対立しているとしましょう。この場合、次男が、長男と三男を相手方として、東京家庭裁判所に対して調停を起こすことができるのです。ただし、裁判所の判断で別の裁判所に移されることもあります。

②必ず家庭裁判所に行かないといけないのか?

 代理人を立てれば、本人は行かなくて済む場合もあります。

 また、最近では、電話会議の方法も認められていますので、遠方の場合は電話会議にしてもらうよう裁判所に頼んでみましょう。 

③調停の流れ

 調停委員を仲介者として相手方と話し合いをしていきます。調停は1か月~2か月に1回程度行われます。

 調停は、あくまでも、相続人全員の合意がないと成立しないのですが、中立の立場にある調停委員を介することによって、当事者同士で直接話し合いをするよりも、感情的な対立を抑えることができます。

 調停がまとまったら、裁判所の書類(調停調書といいます)にその内容がまとめられ、それにもとづいて相続を行うことになります。相手方が調書の内容に従わない場合は、強制執行の手続きをとることもできます。

④調停の注意点

 調停委員は、仲介者として、遺産分割がまとまるようにアドバイスをしてくれます。

 もっとも、調停委員は、法的根拠のない主張や、証拠のない主張を繰り返す側の言い分を聞いてくれるようなことはありません。また、一方に有利な判例などを調べてくれることもありません。

 調停を有利に進めるためには、証拠の有無を調べ、法律や判例などの根拠に基づいた主張をしていく必要があります。

 調停をする場合は、弁護士に代理人になってもらって調停に同席してもらうか、最低限でも、調停前に弁護士にアドバイスを受けておいた方がいいでしょう。

 また、相手方に弁護士がついている場合には、調停委員も、プロである弁護士の意見に押し切られてしまう場合もあります。自分に不利にならないよう、こちらも弁護士をつけることをお勧めします。

 

(2) 遺産分割審判とは

 調停での話し合いがまとまらず、調停が不成立に終わった場合は、審判の手続きに移行します。

 審判では、裁判官が、双方の主張と証拠を踏まえた上で、遺産の分割方法について判断します。判断内容を審判といいます。審判の内容に納得できない場合は、2週間以内に不服申立てをすれば、高等裁判所の判断を仰ぐことができます(これを抗告といいます)。期限内に不服申立てをしないと、審判の内容が確定し、強制執行などを受けることもあります。

 遺産分割の調停や審判について、分からないことや不安なことがありましたら、弁護士に相談することをお勧めいたします。


ご相談はお気軽に 045-840-2444
顧問契約のご案内 中小企業のニーズに応える様々な提案をいたします
当事務所の最新トピックス・解決事例は、下記をご覧下さい。
主な取り扱い分野